低身長症の診断と治療の効果について
低身長症というのは、成長期である子どもの頃に身長の伸びが悪くなる病気をいいます。原因には染色体の異常、成長ホルモンの異常、骨の異常などさまざまです。低身長症と呼ばれる6つの病名を紹介しましょう。成長ホルモン分泌不全性低身長症、タ-ナ-症候群(女児に発症。生まれつき性染色体の欠損がある)、軟骨異栄養症(長幹骨が化骨しない)、プラーダー・ヴィリ症候群(15番染色体の異常)、慢性腎不全に伴う低身長、SGA性低身長症、以上6つの低身長症です。その中でも、ここでは成長ホルモン分泌不全性低身長症について述べていきたいと思います。
成長ホルモン分泌不全性低身長症は、名のとおり成長ホルモンの分泌が正常でない状態を意味します。成長ホルモン分泌不全性低身長症とは、脳の下垂体から出る成長ホルモンの分泌が悪くなってしまうため、成長過程でさまざまな障害をおこす病気です。発症率は、男児1万人あたり2.14人、女児1万人あたり0.71人で男児の方に多く見られます。この病気のうち、約95%は特発性と呼ばれ原因不明のものです。約5%は、脳腫瘍(頭蓋咽頭腫)が原因で起こります。非常にまれに、遺伝性のものもあります。
症状は、知能障害は全くありません。出生時の体重も正常範囲内のことが多いです。しかし、幼児期の頃から成長が著しく遅れてきます。身長の伸びが悪くなるだけでなく、成長ホルモンの分泌が不足しているので、性的な成長も遅れます。2次性徴と呼ばれる思春期の遅れが目立つため、実際の年齢よりも幼い感じが残ります。身長を伸ばすに不安を抱いた場合は、定期的に身長を測定したものを成長曲線に表して記録しておくと、平均身長と比べてどの程度の身長の伸びなのかがよく分かります。他の子どもよりも異常に低い場合や伸び率が悪い場合は医師に相談をし、検査を受けて下さい。
病院に相談する際には内分泌医が専門になります。まずは一般的な検査(問診・尿検査・血液検査)をした後、背を伸ばす悩み成長ホルモン不全の疑いがあった場合に、成長ホルモン分泌負荷試験というものを受けることになります。この検査は、血液を一定時間にわたり何度か採取するものなので、入院して行われることもあります。検査を受けた後の副作用などもありますので、日帰りで受ける場合は注意が必要です。
そして検査の結果、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された場合、成長ホルモン注射での治療を受けることになります。成長ホルモンはもともと人間の身体に分泌されているものです。この病気の場合は成長ホルモンの分泌が悪いわけですから、注射で足りないホルモンを身体に投与して補うということになります。在宅注射ですので、病院へ通院しての注射ではないですが、注射での治療はお子さんにとって大変負担となります。また、接種者である保護者の方も大変不安になることでしょう。しかし、痛みも少なく接種がしやすい注射器も多々開発されています。副作用の心配もほとんどありませんので、成長ホルモン注射を接種するにあたっての身体への負担はほとんどありません。しかし、お子さんが注射に慣れるまでの精神的な負担のケアが大変重要になってきます。さらに、非常に長い期間にわたり治療を続けなければなりません。保護者の方にとっても大変大きなことになることでしょう。
比較的に幼い頃からの治療が重要になってきます。少しでも身長に不安を覚えたら医師にそれとなく相談してみましょう。まずは相談することが第一歩となります。適した年齢にきちんと治療を重ねていくことによって、かなりの効果をあらわします。思春期の頃に少しでも平均身長に近づけるよう、根気よく治療をしていきたいですね。
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